III. 競技者の責任
III−A.ルール及びマヌーバー
競技者は、参加する競技会に関するルールの変更や、出題されるコンパルソリー・フィギュアについて把握していることが当然とされる。これらの情報はイベント・オーガナイザーにより、少なくとも競技会の30日前までに告知されるものである。
III−B.安全なフライト
競技中であろうがなかろうが、競技者を含めた全ての人の安全を脅かすような、カイトの危険なフライトを行うことは失格の理由となる。(詳細はII章E項を参照のこと)
III−C.競技前のミーティング(パイロット・ミーテイング)
競技会においては、大会中、各日の競技が始まる前と、各種目が始まる前には、 「フライト前ミーティング」を行う。(特に変更の無い場合行わなくてよい) その日に競技を行う競技者は、両方のミーティングに参加することが強く奨励される。 パイロット・ミーティングに参加しない競技者は、フライトオーダーの変更、 境界線の解釈、及び、このミーティングにおいて通知されるその他の情報を、 個人の責任において熟知しておく必要がある。 パイロット・ミーティングの内容を以下に述べる。
- フライトオーダーを発表する。(前もって知らされていない場合)
- ルール、採点方法、ジャッジ方法等の説明に関する疑問を競技者から受け付ける。
- 音楽テープを徴集する。(バレー及びフリー・スタイル種目のみ)
- 掲示されたスケジュール、進行等に変更がある場合の通知を行う。
- 境界線に関する明確な説明を行う。
ヘッドジャッジは、各競技種目の開始前にその競技に参加する競技者を集めてプレフライト・ミーティングを行い、点呼、音楽テープの徴集(事前に集めていない場合)、及び最終的な変更事項等を説明する。(詳細は付録Eを参照)
III−D.ラウンチクルー
競技者はカイトをセットアップ(設置)、ラウンチ(離陸)及び、リラウンチ(再離陸)する際の補助を行うための人員を、競技フィールドの内側端に1名以上配置することが許されている。競技者は自分(逹)でラウンチクルーを準備しなければならない。ラウンチクルーには、ラインを結び直す、ロッドやウイスカー等を取り替える、または取り付け直す、ことが許されているが、それらは、当該競技に規定されている制限時間以内に行われなければならない。(こうした活動にはウインドルールにより競技が中断されている場合のみにおけるカイトの変更を含む場合がある)
- 競技会がスムーズな運営となるため、更に、全ての競技者が公平となるために、競技者はステージイン・エリアから競技フィールドへの迅速な移動を行う必要がある。風が十分に吹いておりフィールド形状が良しとされる場合には、ピットボスは、競技者に対してステージイン・エリアから競技フィールドへ移る際、カイトを運ばずにフライトさせて移動するように要請する場合がある。
- 競技フィールドに一旦入場したら、個人またはチームはウインド(ウインド・ウインドゥ)チェックを行う必要がある。チェックに含まれるのは、垂直及び水平ウインドゥ・チェック(上下のフライト及び左右のフライトでウインドゥの端を確認)、水平8の字飛行を数回行い風が一定かどうかの確認で、然るべきチェックの後ラウンチクルーによるセットアップが行われる。以上を実行するために競技者はフィールド・ディレクターから適当な時間が与えられる。
- 競技者が上記の手順を踏んでいる期間に、フィールド・ディレクターまたはヘッドジャッジが時間を無駄に使用していると判断した場合には、以下の事項が適用される。
- フィールド・ディレクターにより「残り時間90秒」の警告が出され、ストップウォッチで計測が開始される。
- 競技者が与えられた90秒以内に演技を開始しない場合、フィールド・ディレクターはこのことをヘッドジャッジに知らせ、ヘッドジャッジがその事実に同意した場合、競技者を失格とし、フィールド・ディレクターに競技者を競技フィールドから退場させるよう指示する。
- フリー・スタイル(旧イノベーティブ)種目の競技者に与えられる準備時間は、競技フィールドが使用可能となった時点から5分間とする。
- 競技者は、与えられた競技フィールドの中で安全にフライトを行う限りにおいて、あらゆる種類のデュアルライン・カイトをデュアルライン競技に、また、クワッドライン・カイトをクワッドライン競技に関して使用することが出来る。
- 競技者は、一旦競技フィールドに入場したら、カイトまたは用具の変更を行ってはならない。(例外に関してはII章D.5.項のウインドルール・ディレイを参照のこと)競技者は、地面に据えつける道具及び支柱の使用を認められていない。(例外に関してはIII章E.2.a.及びIII章E.3.を参照のこと)
個人及びチームは、損傷したカイトを予備のカイトと交換してはならない。このためラウンチクルーは、必要な全ての交換部品を競技フィールドの中に持っていなければならない。一旦演技が開始したら、追加の交換部品を持ってくることは許されない。カイトを修理するために追加の交換部品を競技フィールドの外から持ってきた場合、その演技は「リラウンチのないクラッシュ」と同じく扱われる。(2点減点のペナルティー及び演技の終了)
制限時間:カイトが飛行中または地上において修理が必要となり、その修理をラウンチクルーが行う場合、「45秒ルール」が適用される。(例外:演技 の残り時間が45秒未満の時点で行った修理がうまくいかなくても2点のペナルティーは課せられない。IV章C.45秒ルールの項を参照。)
- テール、リラウンチを容易にする道具、加速装置、連結装置、及びその他の小道具の使用は、それらが(一時的に仮設、または常置されていても)カイトに直接取り付けられていることを条件に容認される。台座を必要としない道具及び、安全性を向上させる器具、装置の使用も認められる。カイトに取り付ける一切の火工術(花火、発煙筒等)の類はフリー・スタイルで例外的に認められる以外は容認されない。潜在的に危険、または危険、及びそのどちらにも当てはまると思われる道具の規定に関してはイベント・オーガナイザー及びチーフジャッジに照会のこと。
- フリー・スタイル(旧イノベーティブ)においては上記の2.a.項は、特に規定されている部分を除き適用されない。小道具、大道具、または地面に据えつける道具を付加することで、わずかでも競技者または観客の安全に対する危惧を包含する場合には、それらの使用は容認されない。(規定の詳細に関してはイベント・オーガナイザー及びチーフジャッジに照会のこと)
III−G.ステージイン・エリアへの出頭
競技前のミーティングの後、最初の競技者は準備とセッティングのために、速やかに競技フィールドに入らなければならない。次の競技者3人はステージイン・エリアに出頭し待機する。自分の出番までの時間を把握しておく責任は競技者にある。競技者は競技フィールドへ移動する前には、必ずステージイン・エリアに待機しなくてはならず、そうでない者は失格となる。競技者は待機する際、予備の用具(伸ばしたライン、カイト等)を地面に置いたままにしてはならない。このことは、競技フィールドの端がステージイン・エリアとして使用されている場合に、特に重要なことである。
III−H.コーチング
演技中の競技者に対して、無線装置を利用したコーチと選手の交信を含めて、外からの監督指導を行うことは認められていない。チーム及びペアーは、オフィシャルの使用している通信システムに支障を与えない限り、無線装置を用いて演技中にメンバー間での通信を行うことが容認されている。
- 事由のいかんに関わらず、不当な扱いを受けたと思われる競技者は正式に抗議を申し立てることが出来る。抗議は、言及されるルールブックの項目を出来る限り具体的に明示し、文書にて行われなければならない。抗議書は、こうした出来事が起こった直後に、進行中の競技に支障を与えないよう配慮をもって、ヘッドジャッジ、チーフジャッジ、またはイベント・オーガナイザーに提出される。
- ヘッドジャッジ、チーフジャッジ、イベント・オーガナイザーは抗議書を検討し、関連情報を収集した上で最終決定を行い、懸案の競技が終了となる前に抗議書を提出した競技者に対して、その決定を伝えるものとする。