II.オーガナイザーの責任

  1. ルール及びマヌーバー
  2. 競技フィールド必要条件
  3. 運営準備
  4. ウインドルール及びフライト条件
  5. 安全
  6. ステージイン・エリア
  7. 予選及びフライト・オーダー

II−A.ルール及びマヌーバー

以下のルールは、競技者に対する競技の一貫性と予測を、そしてオーガナイザーに対して限定された融通性の提供を意図したものである。

  1. ルール

    オーガナイザーは、ルールブックの記載通りの使用が奨励されている。もしもルールの変更が適用される(あるいは、非標準形式[
    V章C.1.b参照]の選択が取られる)場合、こうした変更は競技者に対して、競技会開催日の最低30日前迄に文書にて告知されなければならない。30日前の通知がなされなかった場合には、ルールブック記載通りのルールが適用されるものとする。
    風の状況または予想外の競技状況に対応して行われる現場でのルール上の調整には、上記のような告知の必要は適用されない。

  2. マヌーバー

    コンパルソリー(規定)マヌーバーは競技開催日の最低30日前迄に告知されなければならない。





II−B.公認競技会における競技フィールドの強制必要条件

イベント・オーガナイザーは、運営する競技の種類及び規模などの条件を満たすに十分なフライト・フィールドを提供しなければならない。全てのフィールドが障害物の無い、平らな地形であるべきである。以下に必要な種類のフィールドを挙げる。

  1. 練習フィールド:

    練習フライトのために解放された、区画された1つ以上のエリア。このタイプのフィールドは、競技前に行うカイトの調整に必要とされるもので、気象状況の変化などにより早急にカイトを変更する必要がある競技者に特に役立つものである。使用は、先着順で行われる。競技者は礼儀正しく、他の競技者が待っている場合にはフィールドを独占しないようにする。全ての練習フィールドは、内側及び中央境界線を除き、競技フィールドと同様に印により区画されなければならない。

  2. ステージイン・エリア:

    競技フィールドに隣接してはいるが区切って設けられた競技前の待機エリア。ステージイン・エリア内で競技者は地面の上にのみラインを伸ばすことが許される。この場所の責任者であるピット・ボスは、当該エリア内の競技者が競技フィールドで演技を行っている競技者の妨げとならないように監督する。使用する会場に十分なスペースが無い場合には、競技フィールドの境界線以内に、このエリアを設けることが認められる。

                     
  3. ステージアウト・エリア:

    各競技フィールドに隣接または、周囲境界線の内側にステージイン・エリアと向かい合って設けられたエリア。フィールド・ディレクターは、競技者が演技を終了した後、彼らをこのエリアヘ移動させ、カイトの着地、そして次の競技者のために出来る限り速やかに場所を空けるように指示する。

      
  4. 競技フィールドの最小サイズ:

    競技フィールドのサイズは最小でも、個人競技種目に関しては250ft × 250ft(76m × 76m)、チーム/ペアーに関しては300ft ×300ft(90m × 90m)の正方形(理想的には122m × 122m )に設定されるべきである。立入禁止区域を明確に示すためにフィールドには各々、5メートル外側に外周を制定し、安全テープを張りめぐらせる。加えて、外周から30フィート(10メートル)内に内側境界線を制定する。3番目に外周から15フィート(5 メートル)内に中央境界線を制定する。内側境界線及び中央境界線は、チョーク、または地面に固定される安全テープのいずれかのによって示すことが出来る。(付録のI、
    フィールド・レイアウトのサンプルを参照)

    上記の要求を満たすフィールドをオーガナイザーが提供出来ない場合、競技者は、縮小された実際のフィールド・サイズに関して、競技登録要項の告知以前に通知を受けることが理想とされるが、少なくとも競技会の30日前にはその旨の通知を受けていなければならない。オーガナイザーは、安全のために境界線ルール(
    IV章Gの項参照)を実施する必要がある。






II−C.運営準備                                 

オーガナイザーは、フライト・オーダーやスコアの掲示、スタッフへの役割分担指示などを行うために、ステージ、本部テント、または他の指定区域を運営の中心場所として設営する必要がある。このためのスペースには、チーフジャッジ、アナウンサー、サウンド・エンジニア、スコアラーその他の必要を十分に満たすだけの広さが必要とされる。各競技フィールドに割り当てられたオフィシャルに風速計、クリップ・ボード、ストップウォッチ、無線機などを供給する必要がある。(付録A、競技会備品目録を参照)






II−D.ウインドルール及びフライト条件

  1. 競技会は、天候により延期または中止される場合がある。全ての競技を完遂するため に最大の努力が計られるが、止むを得ない場合には延期される。競技が中止となった場合には、表彰は行われない。
  2. 競技中においては最大風速ルールが適用される。風速が以下に記される最大風速を 上回った場合には、一時的な競技中断の宣言が出される。[これをウインドルール・ディレイ(遅延)という]最大風速を下回ったら、 その時点で競技は再開される。競技者が、いかなる風速においても安全に自分のカイトをコントロールすることが出来ないと、ジャッ ジまたはセーフティー・マーシャルが判断した場合、競技者に、そのカイトを使用しての競技参加を認めない旨の通達を行う。最大風 速を以下の通り規定する:

    全てのクラスに関して       20mph      9m/s
  3. 競技中においては最小風速ルールが摘要される。風速が以下の最小風速を下回った 場合には、ウインドルール・ディレイが実施される。

    最小風速を以下の通り規定する:

    ノービス/インターミディエート  4mph     1.8m/s
    エクスペリエンス/マスター    2mph     0.9m/s
  4. ウインドチェック:
    競技者は以下の条件において、ウインドチェック(風速の計測)を依頼することが出来る。

    1. 競技者は、演技の開始前または、その最大許容時間の半分に至るまでは、ウインド・チェックの要求が行える。

    2. 競技者は、フィールド・ディレクターに対して、「ウインドチェック」と呼び掛けることで、計測を要請出来る。

    3. ウインドチェックの要請が演技中の競技者から出された場合、その競技者は、フィールド・ディレクターから計測結果が出るまで演技を続けなければならない。

    4. フィールド・ディレクターは、デジタル風速計を用いて風速を15秒間連続して計測した上で、平均風速がその競技クラスの最小−最大風速間にとどまっているかどうかの判定を行う。

    5. フィールド・ディレクターは、先述の平均風速測定値を競技者に伝える。その測定値が規定の最小−最大風速間である場合には、競技者は演技を最後まで行わなければならない。但し、測定値が最小−最大風速外である場合には、競技者の判断において続行もしくは中断することが出来る。

    6. 競技者が演技の中断(または演技を開始しないこと)を選択した場合、フィールド・ディレクターは競技者にカイトを着地するよう指示し、ウインドルール・ ディレイが適用される。

  5. 限界的な風の状況:
    風速が一定ではなく、上記に規定された最小風速(
    II章D.3.項に記載)に一概には当てはまらない場合、風は限界的な状況にあると見なされる。

    1. その場合、各競技会のヘッドジャッジは、最小風速限界に近い状況でもフライトオーダーを繰り上げて演技を行う意志のある競技者を募る。そして、

      1. フライトオーダーを繰り上げて演技を行う志願者が現れない場合には、ウインドルール・ディレイが適用される。
      2. もしも志願者が確認された場合には、ヘッドジャッジは競技を続行させ、出来る限り大勢の競技者を演技させるように努める。

    2. ヘッドジャッジは以上を行った上で、イベント・オーガナイザーまたはチーフジャッジと協議して適切な方針を決定する。競技会の延期または中止に関する最終決定は、チーフジャッジまたはイベント・オーガナイザーによって行われるものとする。最終決定事項を以下に挙げる。

      1. 競技の遅延を更に延長する                     
      2. 競技を延期する
      3. 競技を中止する
      4. 風の限界的な状況に関わらず競技を執り行う 

    3. 最小風速を下回るような風の状況でも、チーフジャッジまたはイベント・オーガナイザーが競技の続行を決めた場合には、それを最終決定と見なし競技を再開する。この場合、競技者のカイト用具の不備やその他のハンデに対する情状酌量はされないが、競技をフェアに行う平等な機会を競技者全員に提供するための努力が全力で支払われる。この場合:

      1. 元来のフライトオーダーを使用して、ウインドルール・ディレイにより中断される以前の時点から競技を再開する。
      2. 競技者は自分(逹)の順番が来たら、競技するか棄権するかのいずれかを選択しなければならない。

    4. 競技会の開始を延期する、または最初からやり直す、と最終決定された場合、チーフジャッジまたはイベントーオーガナイザーは、競技会の新しい開始時刻を指定する。


                                      
  6. ウインドルール・ディレイ(ウインドルールによる競技の遅延):

    1. ウインドルール・ディレイが適用となった場合、ヘッドジャッジは然るべき中断時間の指定、また、競技者に対して用具変更やウインド・ウインドゥを再確認するために十分な時間を与える。(III章E「準備時間」の項に規定のペナルティーが適用される)

    2. 競技フィールドまたはステージイン・エリアに居る競技者は、用具及び音楽の変更を行う事が出来る。

                                
    3. 中断が取り止めとなった後、競技者は中断となった競技者から、元来のフライトオーダーで演技を再開する。


  7. 極端な天気状況:

    降り続く雨、荒れ模様の天気、または風が常に最小風速を下回る等の極端な天気の状況下において、チーフジャッジは出来る限り多くの競技が消化できるように、競技内容の変更または省略を行う事が出来る。以下にその例を記す。


    1. コンパルソリー・フィギュアの数を減らす。

    2. 規定種目におけるフリースタイル部分を削減または省略する。

    3. 競技フィールドを大きくするためにフィールド境界線を変更する。







II−E.安全

  1. セーフティー・マーシャル(安全監督)及び クルー(安全係員)は、競技エリア全体を監視し、観客が競技フィールドや練習フィールド、 ステージインやステージアウト・エリアに誤って入らないよう、そして観客や競技者が 競技会の参加者を傷つけるような飛ばし方でカイトをフライトさせないように監督する。競技中において競技者は中央境界線を越えてカイトをフライトさせることを許されていない。

    もしも競技者が、安全上の大きな過失を行った場合、または小さな過失を何度も繰り返し 行った場合、その競技者は失格となる。セーフティー・マーシャル、クルー、 フィールド・ディレクター、ラインジャッジまたは全てのジャッジは、チーフジャッジに 対して競技者の失格に関する進言を行うことが出来る。その最終決定はチーフジャッジが 行う。

  2. ラインジャッジは、競技フィールドの内側−中央 境界線上対角にそれぞれ1名ずつ配置され、その場所から4つの境界線全てにおける安全違反 を監視する。競技者のカイトが、内側境界線を越えた場合、ラインジャッジは、個人または チームキャプテンに中央境界線(これを越えると失格)に近づいていることを示すために、 黄色のフラッグ(手旗)を上げて合図する。黄色のフラッグは何度でも許されペナルティーも 課せられないが、中央境界線を越えたことを示す赤色のフラッグは、一度で失格を意味する。

    (中央境界線から)外側境界線までの追加5メートルの緩衝地帯を設ける目的は、競技フィールドの 外側にいる人に事故が起きる可能性を無くすことと、それによって怪我を負った人が、 イベント・オーガナイザーに対して法的措置を講じるリスクを軽減することにある。

  3. 赤色の旗または失格者が出た場合、 フィールド・ディレクターは競技者に演技を中止させ、カイトを着地しフィールドを退出 するよう指示する。ジャッジはその競技者の採点は行うが、スコアシートには安全違反により 失格と明記する。成績はスコアラーにより集計され非公式スコアとして記録される。 (この事により、競技者へ演技に関するフィードバックを提供でき、また、後に抗議が起こった 場合に活用できる反論の根拠となる。)

  4. Flags and Boundaries(旗と境界線)
    ラインジャッジ及びフラッグ(手旗)は、フィールド・ディレクターとジャッジに 有用されるために存在する。黄色のフラッグが振られたとき、フィールド・ディレクターは競技者に むかって口頭でこの事を知らせようとする。 ただし、フィールドの境界線及びカイトの位置を常に把握しておく責任は競技者にある。
    旗が振られたことをフィールド・ディレクターと競技者に知らせるために、 ラインジャッジはホイッスルを使用することもある。
    このとき、短い警笛は「黄色い旗」、長い警笛は「赤い旗」を意味する。ラインジャッジは フィールドディレクターとのコミュニケーションをさらに容易にするために、もし可能であれば、 ヘッドホーンを着用する。

  5. 首尾悪くラインジャッジを準備出来ない場合には、 ラインジャッジの責任範疇は(可能な程度まで)フィールド・ディレクターに帰属する ものとする。

  6. 「失格」のルールは競技者が競技前にWind Windowをテストしているときは適用されないが、 観客に危険がおよぷなど安全上違反があると主審が判断したとき、主審は「失格」を決定することがある。








II−F.ステージイン・エリア

競技者は、自分(逹)の競技する出番の少なくとも3順前までにピットボスの所へ出頭しなければならない。ピットボスは、このエリア内にて競技者を所定の位置で待機させ、競技フィールドへのスムーズな移動を確保する。またフライトオーダーを用いてステージイン・エリア内には常に2人から3人の競技者が順番に待機しているようにする。

ピットボスは、アナウンサー/本部と常に連絡を取り合って、競技者のスケジュール重複などの状況を把握しておく。ピットボスは、競技者がステージイン・エリアに出頭するように呼び出しを要請するが、競技者を捜し出す責任はない。






II−G.ヒート(予選)及びフライトオーダー

  1. 競技においては、その登録者の数により予選を実施する場合がある。以下に予選を実施する際の指標として活用されるガイドラインを記す。

    競技人数  1〜15名    予選は行わない
    競技人数 16〜30名    2ヒートで予選を行う
    競技人数 31〜45名    3ヒートで予選を行う

    (注:競技会によって異なる時間の制約、公認オフィシャルの数、競技フィールドの数等の変動的な要素を考慮して上記の決定は行われる。予選の採用に関する決定はイベント・オーガナイザー/チーフジャッジによって行われるものとする。予選が採用される場合には、競技者は各予選組に対して均等に振り分けられる。

  2. Number of Finishers from Heatrs(決勝戦へ進出する競技者数)
    指針として、各予選での上位3位までが決勝へ進出する。

  3. フライトオーダーは競技の開始前までに無作為に決定される。その写しがヘッドジャッジ、フィールド・ディレクター、ピットボス、スコアラー、そしてアナウンサーへそれぞれ配布される。また、同じ写しを競技者が参照出来るようにステージ・エリアにも掲示する。フライトオーダーの変更が出来るのはチーフジャッジ及び選任された者のみとする。

    例外:チーフジャッジは必要な場合、フライトオーダーを調整することが出来る。(例えは、競技者が現れない、競技者が重複している、風の状況等による。
    II章D.6.項を参照)