column 3D の眼差しVol 9
2015年2月作成
相良です、今回はインドア・カイト準備編です

僕が利用している(北海道の)フィールドは、風の状態が良く、場所にもさほど不自由しない等、カイト環境には恵まれています
また、北海道のフライヤーは氷点下の外気温であっても雪を踏み分けてカイトを楽しむという逞しさもあってか、一年の半分近くを雪で囲まれているにもかかわらずインドアカイトが発展しませんでした(屋内スポーツ施設等が少ない事もありますが)

しかし、そんな北海道でも最近はインドアカイトに注目が集まってきましたので、僕の経験を踏まえてインドアカイトについて書きます

僕が初めてインドアカイトを見たのは、1994年頃の北海道チャレンジで「鈴木 朗」氏がフライヤーズパーティーで行なった演技だったと思います
その頃は3DカイトというものでREVをショートラインで扱ったことはあったのですが、完全な無風状態でのフライトは驚愕でした

その翌年、湘南大会で「カーチェス・ミッシェル」氏(当時中学生くらい)が、フラーヤーズパーティにおいて無風のビルの真ん前でカイトを飛ばしているのにびっくりしてしまいました
更にその翌年のワールドカップ石狩でも、彼は狭いパーティ会場内内で普通にカイトを飛ばしている事にカルチャーショックを受けました

インドア用カイトは、室内はもちろん、無風状態もしくは非常に狭いアウトドアでのフライトにも最適です(空間や風の状態に左右されることなくフライトが可能です)
操作は短いラインを使うため非常にクイックでスピーディです
この操作に慣れてアウトドアに行くと、操作が非常にスローに思えてラクになります
トリックは自分の目の前でカイトが動くので、ラインの張りやカイトの傾きも非常に分かり易いです

このように良い点もありますが、一方、非常に疲れます、多分1時間もフライトしていると汗ビッショリになります
また、慣れるまではカイトを飛ばすために動き回るのでスペースをかなり必要としますし、周囲の壁などにぶつけてしまいます(カイトの修理も考える必要がありますね)

アウトドアである程度カイトを飛ばせる方ならインドアカイトも可能だと思います、レべルの見極めはテイクオフから8の字を描いてスクエア出来る程度です
しかし、インドアカイトはそれほど難しいものではありませんが、操作方法がかなり違うのでアウトドアでカイトが飛ばせるからといって、インドアカイトも上手いとは限りません
つまり、誰でもチャレンジしてみたほうが良いということです

今回はまず道具選びとして注意して頂く内容を紹介します

最初にカイトですが、インドアではフライヤーがただ突っ立っているだけでカイトが飛んでくれる訳ではなく、常に動いて揚力を発生させなければなりません
ですから、軽くて小さいカイトの方が取り回しがラクです
ただし、小さいカイトはスピンさせた時の回転半径が小さく一見楽に思えますが、操作は非常にクイックになります
この事から、3/4サイズ程度のウルトラライトか、それ以上の軽いカイトが適しています

僕が今使っているのは、アトリエ社の「ダブルゼロ」と、既に絶版ですがブエナビスタ社の「X4i」です
ダブルゼロはリーディングエッジを入れ替えていますが、ノーマルでも十分です

名称 ブエナビスタ X4i アトリエ ダブルゼロ
サイズ 122X56 195X88
重量 35g 154g
ロッド カーボンソリッド Structil 4mm / Structil 5.9mm / Skinny SUL
最近の傾向として、あまり小さいカイトは発売されていません
カイト性能の向上により、あまり小さいカイトは必要ないということでしょう
事実、ダブルゼロは十分楽しめます
X4iまで小さいとロッドがソリットカーボン(ウイスカーと同じ)なので、トリックするには強度不足です
しかしトリックを行なわなければ全く問題ありませんし、何よりほとんど動かなくとも十分に飛んでくれます

フルサイズ・カイトの場合は、天井の高さが許す限り長目のラインを使ったほうが良いでしょう
ただし最初の揚力を発生させる段階で、重量があるために苦労します
浮いたとしても操作は非常に鈍いため、回転させる事は難しく(慣れれば可能)、ましてトリックを行なうには大変な技術を要します

クワッドではGuild Works Flight Studioの「ミナジーデカ」と、Revolutionの「REVⅡ」を使っています。REVⅡは2ラップのロッドに入替て、ブライドルは全て外しロッドにラインを直接つなげています
クワッドは操作がシビアで最初は挙動に苦労するでしょうが、慣れてしまえばリバースやスライドも可能です

名称 Revolution REVⅡ Guild Works Flight Studio ミナジーデカ
サイズ 190X60 110X24
重量 165g 30g
ロッド 2ラップ
次はラインです
30ポンドを使っていますが、50ポンドでも大して変わりません(80ポンドも可能でしょう)
長さは4mに統一しています、理由は天井の高さです
インドアカイトの標準トリックとして、「オーバーヘッド」がありますが、これにはライン長+身長+手の長さ>6mが必要です
一般的な体育館ではこれが限界ではないかと思います、更に短くすると操作は非常に困難で、僕は3mが限界です


次は(デュアル用)ハンドルです
フィンガーストラップが最適ですが、これは自分で作りましょう
別に難しい事はありません、ちょっと太目の紐もを自分の指の太さに合わせて結べば良いだけです
ラインを直接指に装着する方法もありますが、あまりおすすめしません
万が一、大切な指を怪我でもしたら大変ですから・・・
フィンガーストラップ アウトドア用品 スリーブを結んだだけ
服装は引っかかるものが無い物を選びましょう、ラインが体に接触することがあるので絡み防止です
靴は動きやすくて足のホールド性の良いものを選びましょう、ねんざ防止にもなります(靴紐は端末処理もしましょう)

ここから先はインドアカイトに行くだけです!
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