column 3D の眼差しVol 8
2008年3月作成
相良です、今回はデュアルラインカイトのブライドル調整についてです

これはある意味、禁断の領域で、カイトによって調整方法が全く異なったり、フライヤーの個癖により同じカイトでも全く違う調整結果になる場合があります

特に昨今はトリックの普及により、今までの調整が通用しない場合もあります
僕自身、トリックを完璧に全て行えるとは言い難いので、ちょっとおこがましいのですが・・・
それをあえて行いますので、「これは違うぞ」と思う方もいらっしゃるでしょう

さて、なぜブライドル調整について説明する気になったかというと、興味本位でツイさわってしまって飛ばなくなってしまった、ということのないようにして頂きたいからです
最近のカイトは非常に優秀で、ほとんど無調整でも十分性能を発揮するので、ある程度飛ばすことが出来てからチャレンジするのはかまいませんが、購入していきなり調整を始めると、そのカイトの本当の楽しみを知らないままサヨナラしてしまいかねません
非常に奥が深く、また難しい領域であることをよくご理解頂きたいのです

まず、昔の話からしましょう
僕がカイトを始めた頃は、風の強弱によりブライドル調整を行っていました
これをしないと、体ごともっていかれたり、全く揚がらならなかったりと、忙しい思いをしてました

その後カイトの性能が上がり、風の影響を受けにくいカイトが出てからは、ほとんど調整は行いませんでした
また、風の強弱によりカイトを交換していたので、なおさらブライドルの調整は行いませんでした
その為、カイトは4~5機ぐらい準備しなければなりませんでした

更にカイトの性能が上がり飛行可能風域が拡大したことで、日本国内なら2~3機でほぼ対処可能となりました
ところがここに来て、ブライドル調整を行わないとスピードが速すぎたり、パワーに負けてしまうのです
つまりフライヤーが保たなくなったということでしょうか
また、トリックが一般的になると、フライヤーが一番トリックに入りやすい調整というのを模索し始めました
これにより、今までの調整よりもより複雑な調整を試みる方が増えました

ブライドルは大きく3つに分かれます
昔からあるのが3点ブライドルです、次に出てきたのがターボブライドルと、アクティブブライドルです
ターボブライドルと、アクティブブライドルは、風域を広げて飛行範囲を広げるために出てきたように思います
ターボブライドルは上下・左右方向とも調整可能です
アクティブブライドルはほとんど調整を必要としなかったと思いますが、僕はこのブライドルに興味を示さなかったので、詳しくは分かりません

調整方法は一般的に、スピードの調整と回転半径の調整に分かれます
上下のポイント移動はスピード調整で、ノーズ側に結び目をもっていくと飛行速度は速くなり、テール側にもっていくと飛行速度は遅くなり揚がりにくくなります

左右のポイント移動は回転半径の調整です、一般的にウイング側にもっていくと回転半径は大きくなり、センター側にもっていくと小回りになります
共通するのはスイートスポットというのが存在し、そのカイトが一番性能を発揮するポイントがあります
通常、ブライドルには印が付いており、それが真ん中にあるときが一般的に一番バランスが良いとされてます

調整する際は、このポイントを5mmずつ動かしてください
一気に動かすと、思わぬ動きをしたり全く揚がらなくなります
ポイントを上げすぎるとスカスカでラインにテンションがかからなくなり、ポイントを下げすぎるとカイトが揚がりにくくなります
センターよりにしすぎると直進性が落ち、回転後にふらつきが出やすくなります
ウイング側にもって行き過ぎると、なかなか曲がらなくなります
また、難しいのはポイントを上下または左右の一方向だけ動かせばいいというものではありません
問題は3角の立体面でカイトを引っ張っていると言うことです

すなわち一方向を動かしたつもりでも、実は他の2点も動いているので全く違う調整になることがあるのです
また、カイトの機種によっても全く違う調整方法があったりします
今までの調整方法が良かったから、違うカイトでも同じ調整で良いとは限りません

ブライドルとは英語で手綱の意味があります、まさにカイトを自在に操るための重要なものだということを認識して下さい
それ故、注意事項があります
それはオリジナルのブライダルの長さをしっかり把握(記録)することです

使用状況に応じて痛みがひどくなり、時には伸びたり切れてしまうこともあるでしょう
その時のために、若しくは自分で調整を試みたとき、最初の状態に立ち返るときがでてきます
後悔しないためにもしっかりメモをとっておきましょう

「ブライドル調整編」は以上ですが、参考までに「NItrO UL」のブライドルの長さをお見せします
この調整は、微風時の規定に重点を置き非常に細かいターンが可能となっています(このように用途に応じた調整を試みる場合もあります)
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