コラム 3D の眼差しVol.6
2003年02月作成
相良です。
今回は個人バレーです。

ご存じのように、私のバレー演技は特異の部類かもしれません。そのためか、ジャッジによって好みがはっきり分かれるようです。
ですから私の演技を見ても、参考にならない方がほとんどだと思います。しかしながら、私がいつも留意してる点は参考になるかと思います。

大会参加に際し、規定競技には出てもバレー競技に出るとなると二の足を踏んでしまう方が多いと思います。
しかし、音楽が決められない、何をしていいのか分からない、上級者がたくさんいる、と考えている方はあきらめないで下さい。
どんな上級者でも、始めての時がありました。その時は、当然何も分からず失敗を数多く経験しています。
それでも上達した訳ですから、誰でもトップになるチャンスはあるはずです。そのような訳で、バレー競技に出てみたいと考えている方に少しでも力になればと思って書きます。

最近のバレー演技の傾向からトリックの練習をする方が多いですが、バレー演技にとってトリックはあくまでも演技のひとつに過ぎません。
確かに出来ないよりは出来た方が演技のバリエーションは増えますが、それが全てではないと思います。
演技は前回の「規定」のとおり、自分の視点ではなく、観客やジャッジの視点から採点されるモノですから、あくまでも人に見せる「演技」である事を忘れてはいけません。

まずは、自分がどんなタイプのフライヤーであるか知ることが第一歩です。
例えば、私はハイスピードで飛び回る演技を主に行ないますが、一昔前は優雅に、まさに鳥や蝶のように舞う演技が主流でした。
特に個人では個性が非常に重要で、これをいかに表現できるかで勝敗を決めます。この、タイプを調べる方法は幾つかあります。
  1. 普段どんなフライトが一番楽しいと感じられるか?
    何となく飛ばしてて、「今日は気持ちが良かったな」という瞬間があると思います。このときの感覚を忘れないでください。
    例えば始めてアクセルが出来たとか、始めてランディングがうまくいったとか、規定の練習をしていてたまたまうまく出来たことを忘れないでください。この気持ちが後々、自分のスタイルを決めていきます。

  2. 普段どんな曲が好きか?
    別に洋楽でも邦楽でもかまいません。無意識のうちに好んで聴く音楽のタイプを考えてください。
    それがそのままバレーに使えるかは別問題ですが、方向性を導き出す手段となります。また、プロモビデオ等も参考になります。

  3. 上級者の演技を見て誰の演技が素晴らしいと感じられるか?
    個人・ペア・チームなどの区別は関係ありません。更には、私はフィギュアスケート、シンクロナイズドスイミング、スノーボードやフリースタイルスキー等の演技も参考にしてます。
バレー演技とは、あくまでも音楽とカイトフライトの集合体であり、これらを切り離しては考えられません。
これらと個性が融合した時に初めて出来るイメージであり、他の誰にも真似できないモノです。
猛練習によりトップフライヤーの真似は出来るかもしれませんが、所詮はコピーであり、人を引きつけるだけのモノではありません(確かに練習にはなりますが)。

特に完成された演技は、人の心を引きつけて離さないモノです。私も年1回、そのような演技が出来るかどうかというところです。
ただ、これが出来たときは観客はもちろん、フライヤー自身もこの上ない感動に包まれます。この感動が忘れられなくてカイトをやってるようなモノです。

さて、選曲についてのアドバイスですが、特にジャンルはこだわる必要はないと考えます。
ポップ・クラシック・サントラ類でなければならないというのはありません。しかし、年代により使われる曲が変わってきたように思います。
  1. クラシック(〜H3年頃まで)
    私が記憶する中ではこれが最初のように思われます。

  2. アメリカンムービーのサントラ(H3〜H6年)
    特定すると「バック○ウザ」や「スーパー○ン」などの、有名な映画の主題歌が主流でした。ただ、詩入りは嫌がれる例が多かったように思われます。

  3. とにかくサントラ(H6〜H10年)
    「ディズ○ー」系や人気テレビドラマの主題歌などや、CMで使われた曲などが多かったです。このころから詩入りの曲でも使われ始めていたように思われます。

  4. ハードロック調やポップなんでもあり(ごく最近)
    このころから詩入りも結構使われてます。
各年代で、流行りがありますが、別にこれでなければいけないと言うのはありません。このように推移した理由は、カイトの性能による部分が大きいです。
初期のカイトは、とにかく飛べばいい状態で、風によってスピードがまちまちでした。
強風では風に負けて引っ張り回され、操作が出来なかったり、微風では浮いてるのがやっとの状態でした。そのため、複数の曲を用意したり、遅いスピードに合わせたゆったりした曲を選ばなければなりませんでした。

しかし時代が変わるにつれ、カイトの性能は上がり、風によってカイトをチョイスしたり、広いウインドレンジで安定したものが出てきました。
ここ最近の傾向は、割とハイスピードのカイトが多いようです。
そのため、今まで敬遠されてきたハードロック調が増えてきたように思います。
私も昔はステップバックを駆使してかなりハードに動き回ってましたが、そういった苦労は少なくなりました。だからこそ、複雑かつスピーディなトリックも可能というわけです。
逆にスピードを遅くしたい時は、今まで引きまくっていたテンションを緩めればいい訳ですから楽ですね。
そういう意味では選曲に大きく幅が出来たといえるでしょう。ただ、自分の好きな曲がカイトの曲に適しているかどうかと言うのはあります。
  1. リズムが単調で音が取りやすい
    特に個人の場合ではリズムが複合されていると、どちらのリズムに乗っていいか分からなくなります。見ている方も「あってる」と思う人と、「あってない」と思う人が出てきます。

  2. 詩が強調されていない
    カイトで演技するものなのに詩が強調されていると、曲の方に注意が注がれる危険性があります。いわゆる「カイト飛んでなくてもいいじゃない」状態ですね。

  3. 一つの曲でストーリー性がある
    同じリズムがずっと続いてると見てる方も飽きてきます。音楽にも「起・承・転・結」と、いうものがあると考えてます。
    あなたが選んだ曲が同じリズムで強弱のないものなら、自分で編曲の必要があるかもしれません。トップフライヤーの皆さんも苦労しているところでしょう。
    私はわざと全く違う曲を、無理矢理くっつけたりというのを多用してます。もちろん相性はありますが、うまくいけば幾通りも演技のバリエーションを増やせるわけです。

  4. 自分の操作と曲のテンポが合っているか
    実はすごくスローな動きが好きなのに、アップテンポの曲をチョイスしても操作が追いつかず、辛くなるだけです。
    特に大半の方が聞いているJ−POPはかなりアップテンポです。これにあわせるにはかなりのテクニックと体力を必要とします。
    試しにとってもスローな曲をチョイスしてみましょう。意外とあったりします。
このような注意点をクリアしていれば何でもいいと思います。更に言うならば個性を出すためにわざと全く誰も知らないであろう曲を使ったり、逆に観客の注意を引くためにポピュラーな曲を使う場合もあります。
以上、バレーについて一通り私の意見を書いてみました。ちょっと悩んでる方に少しでもいいアドバイスになれば幸いです。
次回はもっと具体的な内容を書きましょう。特に僕のバレーを例にしてみます。(参考にならない??)