column 3D の眼差しVol 1
2000年1月作成
スポーツカイト事情

私は現在フライト歴11年、43才になる北海道帯広市在住のカイトフライヤーです
最近は、スポーツカイトを始める人たちがカイトを購入するのも便利になりました
インターネット上に色んなカイトショップが有り、世界中のカイトをチョイス出来ていいですよね

以前は、カイトは高いものだという風潮が有りましたが、最近は値段も随分安くなったように思います
私がスポーツカイトを始めた頃、カイトショップは全国に数件しか有りませんでしたが、年々ショップも増えていますし、最近では全国チェーンのスポーツショップ・アウトドアショップ・ホームセンター等でも扱っているようです

10年位前のカイトは、今の物とは違い、至ってシンプルでした
ロッド(カイトの骨組み)がグラスファイバー製で、ウイスカー(カイトに揚力を付けるためにセイルを張るロッド)も無く、フルサイズのカイトが30,000円前後しました

その後、ロッドはカーボンシャフト・アルミカーボンシャフトが標準になり、カイト本体も素晴らしく良くなったものの、値段は32,000円~50,000円、コンペティションモデルでは80,000円なんてのも有りました
これでは、カイトは高いと言われてもしょうがないですよね

しかし、最近のスポーツカイトは随分安くなり、いろいろな種類の物が出回っていますね
これからスポーツカイトを始めようと思っている方には、良い時期なのではないでしょうか

スポーツカイトの仕様は、ビギナー用の安価な物から、コンペティション用の高価な物まで様々です
これからスポーツカイトを始めようと思っている方々に、私の経験を元に説明しますので、少しでも参考になればと思います(あくまでも私の主観です)
カイトの種類
フライトに必要な物

スポーツカイト 自分が好きなタイプのカイト
風の強さによって、微風用・中風用・強風用等が有ります
ライン カイトにあった物を選ぶ
カイト・風力に合わせて種類があり、ワインダーとよばれる物に巻かれています
ハンドル・ストラップ 手首や指に掛けるストラップタイプ、手で持つハンドルタイプがあります
ペグ ラインを止めて置く時に使う
テントのロープを止める物でも良いです
サングラス 空を見上げるので直射日光は目に良くありません
保険 障害保険等に入っていれば安心です
広い場所 砂浜・広い公園・河川敷き等の広くて電線の無い所が望ましい
カイトの飛行範囲に人がいない所でフライトする事を心がけましょう
デュアルラインカイトについて
  • 子供とチョットやってみたいけど、ど~せ飽きるんだからと思っている人向き
    オモチャは所詮オモチャ、無駄遣いをしないために

    10,000円以下のカイトも有ります(ライン、ハンドル又はストラップ付きのセット、小型の物が多い)
    おもちゃ売り場、ホームセンター等でも見かけます
    もちろんカイトショップ・スポーツショップ・アウトドアショップにも置いています

    はっきり言って、飛ばす事も難しく、降ろす事も難しい
    風があれば飛びますが、スピードが早く小回りし過ぎる物が多いです
    入門用等の但し書きが有りますが、なかなかど~して!このサイズを飛ばすのは中級程度のフライヤーも大変です

    カイトですから基本的には飛びます(少しの調整が必要)が、広場や公園、河原などで上手に飛ばしている人を見て、自分もあんなふうに飛ばしたいと思っている人にはお薦めできません
    何故か、それはですね・・・、お金の無駄使いになるからです

  • 少し上手になりたいと思っている人向き
    このクラスから始めることをお勧めします

    10,000円~25,000円位のカイト(カイト単体やセットになった物も有ります)、小型やフルサイズが有ります
    セットでも、上記の物よりも多少各パーツがしっかりしているし、飛ばしやすいと思います

    最近このクラスでコンペティションモデルが沢山有りますが、多少調整が必要です
    経験者のアドバイスが有った方が良いでしょう
    小型よりフルサイズ(翼サイズが2.5m前後の物)が良いでしょう

    各パーツが多少安っぽい物も有ります、破けやすかったり・折れやすい物も有りますので、ショップや経験者に聞いて見ましょう
    ちなみに私もこのクラスを使っていますが、全てチューニングしていますので多少は丈夫です・・・

    また、インターネット上で見られる海外ショップ等でのコンペティションモデルは、メンテナンスが難しいので、国内のカイトショップで購入(通販)すれば、サポートやメンテナンスも十分してもらえると思います
    このクラスは、お薦め出来る物とそうでない物が有りますから、ショップや身近なフライヤーに聞いて見ましょう

  • 広場や公園、河川敷等で上手に飛ばしている人を見て自分もあんなふうに飛ばしたいと思っている人向き
    出来れば競技会に参加してみたいと思っている人にお勧め

    25,000円以上のカイト(コンペティションモデルが主流)、カイト本体(各パーツ)がしっかり出来ていますし、少しの調整で初心者の方にも十分飛ばせます
    基本的にカイトのポテンシャルが高いので、初心者の方にも、「こんなに簡単に飛ばせるんだー」と言わせてしまいます
    初心者の方でも上達が早く、本当のカイトの面白さを、すぐに体験出来ます

    クラッシュ等にも強く、大変丈夫に出来ているので、5年以上使っている人もいます
    国内外で競技会に出場している個人・チームは、ほとんどこのクラスを使用しています
    カイトの補修パーツも豊富なので、クラッシュしてもすぐに修復可能ですし、上級者のアドバイスで、最高のポテンシャルを引き出せます
    国内外のトップフライヤーのテクニックも意外と早く習得出来ます

    なぜ最初から良い物(高価な物)をお薦めするかと言いますと、私の経験から、カイトを始める方を見ていて、最初に安い物を購入した方は、大変苦労してカイトを飛ばしています
    「なんで皆と同じように上がらないんですか?」、「やっぱりカイトは難しいですね」と言われるので、「じゃ僕のカイト飛ばしてみますか?」って事になるわけです
    私達のカイトを飛ばした方は、皆さん「全然違いますね」、「飛ばし易いし自分が上手になったみたいです」とよく言われます・・・、なぜか?

    基本的に、良い物(高価な物)は簡単に飛ぶように出来てる訳です
    チューニングしてるからではなく、最初からよく飛ぶように出来てる訳です
    私達のチューニングは個人・チームのスタイルに合わせて行っていますので、初心者の方には必要有りません
    最初に良い物を選べば、無駄遣いを防げるわけです(私はこの何年間か沢山の無駄遣いを見てきました、仲間も含めてですが)

    しかし、カイトは値段が高ければ良いと言う物では有りません
    リーズナブルでクオリティの高いカイトが沢山有りますので、カイトを始めようと思っている方は、まずフライヤーと友達になり、良いカイトを教えて貰う事です

    合わせて飛ばし方も教えて貰いましょう、ついでにショップも紹介してもらえば、すぐに上達間違いなしです
    最初から一人で悩んで飛ばすのは時間の無駄です、ビデオ・教本と言う手段も有りますので、近くに経験者・フライヤーのいない場合は、ショップの方に、良く説明を聞く事が良い方法だと思います

    カイトフライヤーは、通常サングラスをかけていますので、人相が悪く見える人がたまに(?)いますが、とても気の良い人たちですので、気軽に声を掛けて見ましょう
    きっと「やってみますか?」と返ってくると思いますよ
    そうすれば貴方もフライヤーの仲間入りかも、きっと私がそうであったように、「ふ~んカイトか」から「おーおカイト!」へといった体感を味わえると思います
筆者紹介: 池田 豊彦(いけだ とよひこ)/北海道帯広市在住
コメント: 道内でも伝統のあるTeam NIJIのリーダーで1番機を担当
仕事の関係で帯広を離れていた為、チームとしての大会出場が暫くの間見られなかったが、1999年9月の帯広市長杯において、チームオープンバレーで堂々の2位入賞
チームの健在ぶりを十分にアピールした
Team NIJI First Kite 池田豊彦 
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